総合防犯の勧め
防犯とは、弱点を無くすこと。建物の防犯上の弱点をいかに無くすか。ドア・窓など建物の開口部の強化、敷地への侵入防止策など、複合的に防犯設備を設置することが重要。


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『総合防犯』とは?

住居や事務所などの防犯性を判断する時、何を考慮すればよいのでしょうか? それは、侵入しようとする者の思考を、分析することから導き出すことができると思われます。

侵入者は、なるべく「時間をかけず」「簡単に」入る手段をとります。つまり、建物の「弱点」を狙ってきます。

建物の構造・立地・その他で、「弱点」は様々に変化しますが、一戸建て様の建物の場合「窓」が、マンションなどの高層の建物は「玄関=ドア」が進入経路となる場合が多い、とのデーターがあります。(下グラフ参照)
≪侵入経路の割合≫
戸建住宅侵入経路 マンション侵入経路

一言で表すと『総合防犯とは、住居(建物)の弱点を無くすこと』です。


建物のタイプ別『防犯強化策』

上で述べたとおり、タイプ別侵入経路は
・一戸建ては『窓周り』
・マンションは『玄関ドア』
となります。ここで勘違いしてはいけないのは、「戸建は窓を強化すれば大丈夫だ」とか「マンションは耐ピッキングのカギに変えれば安心だ」と、安易に結論を出さないことです。

『住居(建物)の防犯性能レベル=もっとも弱い部分』
となるからです。あくまでも、建物のタイプからの目安として、考えるのが無難です。主に、戸建は「窓」マンションは「玄関ドア」と考えてください。

1点豪華主義的な方法は、『防犯』では通用しません。マンションであっても、低層階では窓が狙われますし、上層階であっても、屋上などから降りてきて侵入するなどの手口が実際に見られます。改修用の足場を登ってきて、侵入する手口も見られます。

また、戸建で窓ガラスを防犯ガラスにし、警報機を取り付けたからと言って、たやすくピッキングできる、簡単に壊せる錠のままでは、これはまた危険です。

『窓周り』の防犯性を向上させる製品としては、格子・防犯ガラス・警報機センサーライト防犯カメラなどがあります。

『玄関ドア』の防犯性を向上させる製品としては、特殊錠(耐破壊・耐ピッキング・耐サムターン回し性能を備えたもの)・ガードプレート・警報機・センサーライトTVドアホン防犯カメラなどがあります。


防犯性を向上させる2つの要素

侵入を阻止する方法には、主に2つの要素があります。

『物理的な遮断=物理防犯』 破壊や不正な開錠に対して、抵抗力を持った隔壁を作ること。

『心理的な遮断=威嚇防犯』 侵入を試みる前や直後に、音・光・映像記録・自動通報などによって、侵入そのものを事前にあきらめさせること。

住居(建物)の個々の特性にあわせて、これらを組み合わせることによって、防犯性能を向上させていくのが『総合防犯』です。さまざまな機器を組み合わせることによって、単なる足し算ではなく、相乗効果で防犯性を強化することが可能です。

しかしながら、100%侵入を阻止することは不可能です。軍事基地などであれば、それに近い防御も可能でしょうが、一般の住宅や事務所などでは、現実的ではありません。

それでは「結局、安心な暮らしは夢なのか?」と言えば、そうではありません。下に、侵入盗が侵入をあきらめる時間をまとめたグラフがあります。

5分以内で侵入できなければ、ほぼ7割があきらめます。また、5分以上10分以内で侵入できなければ2割強があきらめる、との結果が出ています。

つまり、10分以内で侵入できなければ、9割強があきらめるということです。

このことから、防犯性能の必要条件は、侵入に10分以上かかることが目安となります。

侵入あきらめ時間
『総合防犯』の具体例

では、実際にはどの程度の防犯工事が必要なのでしょうか?

先ほど述べたように、侵入に10分以上かかることを目標に、一般的な戸建住宅を例にして、シュミレーションしてみましょう。(北海道の一般的な住宅を想定して、説明していきます。2階建て、4LDK位でしょうか)


※作業内容の末尾に、物理防犯を(物理)、威嚇防犯を(威嚇)と表示しています。

玄関周り
・ドアは1ドア2ロックであるが、耐ピッキング仕様ではないため、ディンプルキータイプに交換。(物理)
・カンヌキ、ラッチも見えるため、ガードプレートを取付。(物理)
・サムターン(錠を操作するツマミ)カバーを取付。(物理)
・音声のみドアホンをカラーTVドアホンに交換。(威嚇)
・明り採りの窓があるため、防犯ガラスに交換。(物理)
・ドアに警報機用マグネットスイッチを取付。(威嚇)
・ポーチライトを便利灯も兼ね、センサー付ライトに交換。(威嚇)


1階周り
・道路から死角になっている側に、センサーライトを設置。(威嚇)
・道路から死角になっている側の小窓に、ステンレス製内格子を設置。幸い大きな窓は無い。(物理)
・道路と垂直な方向の2つの壁面には、キッチン勝手口と掃きだし窓(居間)がある。換気のため、頻繁に開放するため、可動式防犯内格子を設置。(物理)
・トイレと風呂場の窓に、ステンレス製内格子を設置。(物理)
・各窓に、警報機用マグネットセンサーを設置。(威嚇)


2階部分
・灯油タンクが足場となり、2階バルコニーに登ることができる。窓のクレセント錠をダイヤル式に交換。(物理)
・窓に警報機用マグネットスイッチを取付。(威嚇)
・ポーチライトが無かったため、防犯も兼ねセンサーライト(常時点灯機能付)を設置。


車庫
・以前、タイヤが盗まれたことがあるとのこと。シャッターに警報機用の赤外線センサーを取付。(威嚇)
・夜間、外出する際ガレージまで暗がりが多いので、センサーライトを設置。(威嚇)


敷地外周
・生垣が高くなり過ぎていたため、ご主人が1.4m程度の高さまで刈り込む。(死角を減少させるため)


居間
・警報機の制御盤を設置。自動通報機能付のため、外出時は携帯電話までメッセージが来る。また、在宅警戒モードがあるため、車庫は常に警戒態勢にある。(威嚇)
カラーTVドアホンの親機を設置。録画機能付のため、外出時の訪問者を確認できる。(威嚇)


以上が、通常ご提案させていただく施工内容です。もっとも、全てを行うとなると費用面から、難しい場合が多いことも確かです。(最多価格帯 約70〜250万円)できれば、防犯ガラスへの交換も行うと、一般住宅としてはほぼ完璧に近い状態になるのですが、かなりの費用が必要です。可能であれば、是非お勧めいたします。

弊社では防犯設備士が防犯診断の上、防犯上の必要度をランク付けし、機器構成などを変え、お客様のご予算に応じて、最も費用対効果が大きい方法で、防犯工事を行います。

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『総合防犯』の要点

  • カギや錠、ガラス、警報機など、単体の強化ではなく、それらを組合わせて住居(建物)の「弱点」を無くすことが目的。
  • 方法としては、主に2種類ある。『物理的な遮断=物理防犯』 破壊や不正な開錠に対して、抵抗力を持った隔壁を作ること。『心理的な遮断=威嚇防犯』 侵入を試みる前や直後に、音・光・映像記録・自動通報などによって、侵入そのものを事前にあきらめさせること。
  • 侵入者が10分以上試みても、突破されない防犯性能が要求される。
  • 建物の構造、立地、その他の条件により、強化するポイントが変化する。
  • 以上を実行することにより、安心・安全な暮らしを実現する。